南オーストラリア州に留学していた20人の研修生たちは、主にアデレードから車で1~2時間以内の近郊でホームステイをしながら学校に通い、現地の生徒たちと共に切磋琢磨しました。帰国前の特別プログラムの会場であるTAFEまでは、直接ホストファミリーの方が送迎してくださり、研修生たちは涙ぐみながら、お世話になったファミリーの方々に、別れの挨拶をしていました。
その後、約10か月振りに集まった研修生は、近況や帰国後の生活について、英語を使用しながら話をしていました。
ホストファミリーとのお別れの様子
特別プログラムの様子
2日半に渡る特別プログラムは、大学訪問及び留学生活の振り返りを行いました。大学訪問では、アデレード大学及びフリンダース大学を訪れ、先生方からお話を聞いたり、大学で行われる授業にも参加したりしました。研修生は、留学終了後の進路選択の一つとして海外大学進学もあるという事を強く意識することができました。
また、留学生活の振り返りでは、各研修生が次代のリーダーになるためにどのように留学生活に向き合い、具体的にどのような取り組みをしてきたかについて、最終日に発表することを目的として、プログラムに取り組みました。
アデレード大学は、オーストラリアのトップ8の大学の一つであり、世界大学ランキング88位という、世界トップレベルの大学です。研修生はアデレード大学で歴史的な建造物から学びを深めると共に、グローバルに活躍することや大学生活について、アデレード大学の国際教育課の先生方や大学に通う留学生からお話を伺いました。
研修生は、大学入学に向けた準備や実際の大学生活について質問をし、異文化を理解しながら高度な学習に取り組む姿勢とはどのようなものかを考える良い機会となりました。
キャンパス内での様子
フリンダース大学は、最新の技術と教育を組み合わせて、実学に生かすことを目標として多くの企業をキャンパス内に誘致して、社会に貢献する研究を行っている革新的な国立大学です。日本人初の宇宙飛行士である毛利衛氏が博士号を取得した大学でもあり、研修生は興味津々にキャンパス内を見学していました。
特にトンズリーキャンパスでは、自動運転やその正確性についてロボット工学の先生からお話を伺い、機械工学に興味のある研修生が積極的に質問をしていました。
キャンパス内の見学・グループワークの様子
最終日の朝、研修生一人一人がそれぞれ工夫を凝らした発表を行いました。プレゼンテーション資料を作成する研修生や身振り手振りなどのジェスチャーを交えた発表をしてくれた研修生もいました。ある研修生は、自分でデザインしたスカートやポーチを見せながら、オーストラリアの授業で学んだことを発表しました。また、別の研修生は課外活動として行った海岸清掃のボランティア活動の様子について写真を使用して話してくれました。そして、ホストファミリーや学校の先生との出会いが自分自身を大きく変えたという研修生もおり、一人一人が実りの多い留学生活を送ることができたことが分かりました。
発表の終りには、引率に同行した教職員研修センター研修部教育開発課長からは、「留学生活で様々なことに挑戦したと思うが、自分が一歩踏み出す勇気さえあれば解決できることを学べたと思います。その一歩をどのように踏み出したのかを大切に心の中にしまっておいてください。その経験がこれから困難な時にも勇気づけてくれます。」と、研修生の今後の活躍を後押しするメッセージがありました。
多くの研修生はメッセージを聞きながら、時折深く頷いていました。このような研修生の姿からは、これまでの留学生活を今後の進路活動へ生かそうという意気込みが感じられました。
プレゼンテーションの様子
12月2日(土)、羽田空港に到着しました。引率した東京都教職員研修センターの職員からは「このゲートを出たら、終わったということではありません。始まりです。」や「これまでの皆さんの経験を周りの友達や学校、東京都へ還元してください。」と研修生への激励のアドバイスが送られました。
研修生はこの約10か月間の留学生活をどのようにこれからの人生に生かし、自分の道を切り拓いていくのでしょう。
研修生が留学していたオーストラリアの先住民族アボリジニのことわざに以下のような言葉があります。
“Keep your eyes on the sun, and you will not see the shadows.”
太陽を見ていなさい。そうすれば影を見ることはないのだから。
これから次世代リーダー育成道場を修了する研修生には、色々な困難にも負けず、留学で得た経験を生かしてほしいと思います。またアボリジニのことわざのように、常に物事の良いところを見つけて、前向きに行動し、東京都、そして日本や世界のために役立つ人材に成長することを期待しています。