令和4年3月に出発した第10期生Aコース(オーストラリア)が、同年12月1日に日本に帰国しました。出発時は、直前まで新型コロナウィルス感染症の影響で出発が心配されていましたが、現地の方々のサポートを受けながら、研修生は留学期間を終えることができました。
研修生の帰国時、オーストラリアは、季節は夏、クリスマスの準備が街中で行わていました。
【クイーンズランド州】
研修生は、ホストファミリーに別れを告げ、帰国前の特別プログラム会場であるブリスベン市内の宿舎Raymond Collegeに集合しました。少し涙ぐみながら宿舎前でお世話になった方々に、別れの挨拶をしていた研修生が印象的でした。その後、約8か月振りに集まった研修生たちは、近況や日本に帰国後の生活について堰を切ったように話していました。
2日間に渡る特別プログラムでは、現地の大学生と英語での交流を行いました。日本人の学生からは、海外大学へ挑戦しようと思ったエピソードや待ち受ける困難などについて、日本とマレーシアで育った学生からは、自身のアイデンティティについて悩んだ話などを聞きました。
研修生は、海外大学へ挑戦したエピソードや帰国後の進路を考える上で大変刺激になった様子で、交流会が終了した後も個別に質問をしていました。
また、リーダーシップに関するワークショップでは、主に現地校での経験から、様々なバックグラウンドをもつ集団の中での意見の伝え方、中心的な役割を果たす際に気を付けていたことなどについてスピーチし、話し合いました。
Griffith Universityのキャンパスツアーでは、現地の大学生に案内していただきました。専門的な学部の充実した施設などを見学しながら、研修生は、海外大学進学も進路選択の一つであると捉え、進学するための準備などについて質問をしていました。
最終日は、研修生一人一人が感謝のスピーチを行った後、クィーンズランド教育省の方から、修了証をいただきました。代表研修生からは、「8か月間、様々な方にサポートをいただいて、留学を修了することができた。この経験を最大限に生かして行きたい。」という力強い言葉がありました。
【南オーストラリア州】
研修生は、帰国前の特別プログラム会場である宿舎TAFE International Houseに集まりました。前日の夜や当日の朝に家を出る時にホストファミリーと名残惜しい別れを済ませてきた研修生ですが、会場まで送ってくださったホストファミリーとの別れ際には、自然と込みあげてくる思いがあったようです。
その後は、約8か月ぶりに集まった仲間と嬉しそうに近況等を報告し合い、再会を喜んでいました。頭の中ですぐに英語から日本語に切り替えられず、英語と日本語を交えながら話をする研修生もいました。
特別プログラムでは、まず、150年の歴史をもつオーストラリアで3番目に古いアデレード大学のキャンパスツアーへ出発しました。現在、留学している大学生に施設を案内していただき、御自身の留学の経緯やこれからの夢や目標についての話を聞きました。キャンパスツアーの後は、日本人の父とオーストラリア人の母をもつ現地在住のバイリンガルの方から、御自分の経験を基にした貴重な話も聞くことができました。日本人である自分とオーストラリア人である自分のアイデンティティのことや「やりたいことはまずやってみる。」という精神の下、世界中を旅した際の出会いや体験談は、研修生の心に強く響いていました。
翌日は、国立大学Flinders Universityを訪問しました。ロボット工学におけるプログラミング技術に触れました。また、教員と学生のやり取りで進むリーダーシップ論の講義や、生徒同士で話合うことを通して、皆のアイデアをまとめていくマーケティング理論の講義を体験しました。
最終日は、留学を振り返るプレゼンテーションを英語で行いました。留学を通して自分がどのようなことに力を入れたのか、そしてどのように自分が変わったのか、今後どのように生きていきたいのかなどについて、流暢な英語を用い、自信をもって発表を行いました。プレゼンテーションは、各々の成長ぶりがうかがえる素晴らしい内容でした。
【クィーンズランド州・南オーストラリア州】
各州での特別プログラムを終え、シドニーで両州の研修生が合流し、バスでシドニー市内へ向かいました。バス移動の最中。添乗員の方から市内の説明を受けながら歴史的建造物などを車窓から見学したのち、世界遺産オペラハウスをバックに集合写真を撮るなどして、オーストラリアでの最終日を過ごしました。
12月1日(木)、羽田空港に到着しました。研修生はこの約8か月間の留学生活をどのようにこれからの人生に生かし、自分の道を切り拓いていくのでしょう。これからも色々な困難が待ち受けていると思いますが、留学で得た経験を生かし克服していくことと思います。研修生が、次世代リーダー育成道場の修了生となって自分の役割を見付け、東京都、そして日本のために役立つ人材に成長することを期待しています。