事前研修の1つである「国際交流プログラム」では、日本の大学に留学している約20名の外国人学生たちが東京都教職員研修センターにいらっしゃいました。 プログラムの初めには、ファシリテーター役の学生からの4つのルールの確認がありました。
<4つのルール>
“Don’t be Shy!” 「恥ずかしがらないこと!」 |
“Speak in English!” 「英語で話すこと!」 |
“Mistakes are OK!” 「ミスしても大丈夫!」 |
“Leave No One Behind” 「誰も置き去りにしないこと!」 |
84名の研修生は14のグループに分かれ、各グループの外国人留学生リーダーを交えて、自分が関心のある日本や東京の社会問題などに触れながら自己紹介をしました。また、ウォーミングアップとして、留学生リーダーが自国の社会問題に関連するキーワードをいくつか示し、研修生はそのキーワードに関連する質問を考えるという活動を行いました。
次に、サステナビリティ(持続可能性)についての講義があり、研修生たちはSDGsをテーマに複雑な問題解決に必要な考え方(システム思考)を学びました。
システム思考とは、問題がどのような要素から成り立っているのか、それらがどのようにつながっているのか、各要素がどのような役割を果たしているのかを考えるという分散・統合型の思考方法です。
その後、研修生はグループごとに留学生リーダーから自国の社会問題について説明を聞きました。その情報を元に、食べ物に関する問題やジェンダーの不平等、海洋プラスチックごみ、水資源問題、責任ある生産と消費などといったSDGsに当てはめて考えながら、話し合いを行いました。それらの中から1つの問題に焦点を当て、システム思考を用いながら、その問題の本質を深く掘り下げました。そして、他のグループに向けて、解決策を提案するプレゼンテーションを行いました。
最後に、研修生代表が今回学んだことについて振り返りながら英語で外国人留学生に感謝の気持ちを伝えました。
<国際交流プログラムを終えた研修生の感想>
高校生になって、英語の授業が急に難しくなり、自分自身の英語学習に納得がいっておらずプログラム前までとても心配でした。しかし、実際に留学生と交流してみると、相手とコミュニケーションがとれることの嬉しさが大きく、改めて英語を学習することの意味を見いだすことが出来ました。また、班で話し合ってから発表するという過程の中で、自分が思い付かないような斬新なアイディアがたくさんあり、チームワークの大切さを実感しました。これらの経験を9月以降の現地での生活でも活かしたいです。
国際交流プログラムでは、システム思考のループ図を用いてグローバルリーダーの国が抱える社会問題について考えることができました。様々な事象を関連付けて相互の関係性を理解し、真の問題を見付けるというこの方法は、日本語でも実践したことがなく、英語で初めて取り組んだので難しい部分もありました。しかし、グループメンバーと協力することで、課題の本質を見付け出すことができました。この方法は、今後の探究学習などにも取り入れていきたいです。
英語でのプレゼンテーションを聞くというのは前回の研修に引き続き、少しでも気を抜くと理解できなくなってしまうのでとても大変でした。しかし、慣れていなくても英語での説明に食らい付こうとする粘り強さは大切だと今日改めて感じることができました。また、日本や他国の社会問題について、実際にそこで生活していた人に聞くことはインターネットや文献で調べることとまた違った印象がありました。留学先でも、粘り強くたくさんのことを吸収出来るように、日頃からのメモやボキャブラリーアップを心がけたいと思います。
第4回のゼミナール研究では、研修生がこれまでの事前研修で検討してきたSDGsなど現代社会の課題について、どのように国内及び留学先で調査・研究を進めていくかについてのアウトラインを発表しました。
今回が事前研修最後のゼミナール研究だったため、留学前の締めくくりとしてプレゼンテーション形式の発表会を行いました。研修生は7会場に分かれ、自分たちで発表会を運営・進行し、各自の発表に対して意見を出し合って協議を行いました。
発表後の質疑応答では、発表者に対して、研究・調査方法について質問したり、研究内容について確認したりするなど、研修生同士で研究をよりよいものにしていこうとする意欲が見受けられました。また、相互に書かかれたアドバイスシートのコメントを参考に、今まで気付かなかった多様な視点から自身の研究内容について考えを深めました。
研修生の個々の研究テーマは、身近な衣食住から宇宙までと多岐にわたっています。以下に具体例を紹介します。
研修生は、本日の発表会を受けて、留学先で研究報告書を完成させます。