第3回目の英語研修を行いました。研修生は14会場に分かれ、各会場でネイティブ講師1名と研修生6名前後によるグループ演習とし、今回は、前回と同様に、午前中3時間、英語を聞き、英語で考え、質疑応答をし、発表するという、英語のみで3時間にわたって実施しました。
演習のテーマは、“Comparing and Contrasting Countries”で、日本と留学先国であるアメリカ、カナダの3か国の類似点や相違点を取り上げました。最初のセッションでは、「『比較する』とはどのようなことか」、からスタートしました。例えば、二つの異なる大きさの円や楕円が交わると、重なる部分とそうでない部分ができる。それをどう捉えるか、どう比較するかということを、犬と猫の比較を例に基本から学ぶとともに、論理的な文章に役立つ英語の接続詞等も学習しました。
次のセッションでは、3か国の比較を、具体的な事例を取り上げてやりました。両国の諸都市、人口、挨拶や食事のマナー、人気のある観光スポットや食べ物、盛んなスポーツなどを、自由に話し合いました。これらから得られた情報を基に、論理的な構成について議論し、最後に全員がグループ内でプレゼンテーションを行いました。
まとめとして、講師からは、「比較考量するためには、まず情報収集が大切である。多くの英文を読む方法には、「スキャニング」(ある特定の情報を探しながら文章を読むこと)の力を身に付けておくとよい。」というアドバイスをいただき、研修生は、実際にスキャニングの演習に挑戦しました。
アメリカやカナダでは現地の生徒たちと同じスピードで英語を読み、授業に参加することとなります。研修生は、留学生活を見据えながら、それぞれの演習に真剣に取り組んでいました。
今回の研修では、「グローバル化と日本~戦後の復興から現在まで~」及び「日本の近現代史を学んで~学びからのさらなる展望~」について学びました。
研修生は事前学習として、この時代の事前研修用動画及びNHK高校講座日本史の、「占領と国内改革」、「国際社会への復帰と高度経済成長」、「激変する世界と日本」を視聴し、それを踏まえて事前課題1、2を複数の資料で調べ自分の考えをまとめてきました。
当日は4人毎の小グループに分かれ、調べてきた事前課題を発表し合い、協議しました。そして、小グループでの協議内容を全体の場で発表・協議しました。
事前課題1は、第二次世界大戦後、日本が高度経済成長期を迎え経済大国となったことに対し、『日本は、なぜこのような経済成長を遂げることができ、また、それがどのような影響を社会に及ぼしてきたのか。』を主テーマに、追究する課題(複数も可)を設定し、将来を展望して追究する。」でした。研修生は、朝鮮戦争が戦後の日本に及ぼした影響、経済成長のもたらした地域格差や一次産業の衰退、高度経済成長期のインフラ整備と今日の老朽化への対応などに関わる課題を設定し発表・協議をしました。
事前課題2は「日本国憲法の下、我が国は冷戦下及び冷戦後の国際社会において平和主義を掲げ、どのように世界の諸課題の解決に取り組んできたのか。」についての課題の設定・追究です。日本国憲法と自衛隊の在り方、近隣諸国との領土問題の解決、発展途上国への援助の在り方などに関わる課題等を設定していました。
研修生は、自分で設定した課題を事前によく調べ、自身の考えをはっきりと述べていました。また、今日的な課題について将来を展望した熱心な協議が展開されました。
全3回の講座を受講し終えた感想には、「同じ歴史的事象に対しても人によって見方や考え方が異なることに驚いた。」、「自分で課題を設定し調べ考察する学習によって歴史に対する苦手意識がなくなった。」、「太平洋戦争をアメリカやカナダ側の視点からも学びたい。」、「次世代でこのようにして日本の歴史を学んできたことを留学先で伝えたい。」などの言葉がありました。
ゼミナール②では、研修生がグループに分かれ、これまで検討した「見通し演習」を踏まえて作成した「ゼミナール研究アウトライン(様式 1)」を基に、「研究の目的」、「現状」、「課題」を中心に協議・発表を行いました。
それぞれの研修生が自分のアウトラインについて発表を行い、他の研修生はその発表について優れていると思う点や、疑問と思う点を協議しました。協議は、①研究テーマは「現代社会の課題を探究しその解決策を考える」という研究としてふさわしいものになっているか、②テーマ設定の理由や研究の目的は明確になっているか、③客観的かつ具体的に現状を認識しているか、④課題を明確に把握しているか、2そして⑤最終的に提言に結び付いていく流れができているか、の5つの観点に沿って行われました。
グループ協議の後、代表者が話し合った内容を全体の場で発表し、共有しました。研修生は、学び合った内容をもとに、自分の研究を見直し推敲していきます。次回の第3回では、調査活動計画の作成も含めてゼミナール研究アウトラインの完成を目指します。