オーストラリア、カナダと日本との関係を念頭に置きながら、「開国から日清・日露戦争まで~近代国家日本の成立~」 というテーマで、日本の近現代史 を学びました。
研修生は事前学習としてNHK高校講座日本史のうち、「憲法制定」、「日清戦争」、「日露戦争」を視聴し、それを踏まえた事前課題に取り組み、自分の考えをまとめてこの研修に臨みました。
事前課題は、A「この時代における、①日本の国際的地位の向上、②アジア地域における日本と近隣諸国との関係の変化、③アメリカ合衆国との関係の変化について調べる。また、これらのことに対する自分の考えをまとめる。」、B「なぜ、日本は植民地にならなかったのか、自分の考えをまとめる。」、C「19世紀から現在までの香港の歴史を調べる。また、このことについて自分の考えをまとめる。」の三つで、Aは必修課題、BとCはどちらか一つを選んで学習してくる選択課題でした。研修ではグループで事前課題の内容について発表し合い、グループでまとめた意見や考えを全体の場で発表しました。
入校式から1週間という短い準備期間でしたが、研修生はしっかりと事前学習に取り組んでおり、自分で調べたことを根拠にして、自分の考えを述べることができていました。お互い初顔合わせながらも熱心に発表し合って、近代化の過程における明治期の人々の努力や苦労、成果と課題について認識を深めました。
ゼミナール研究は、自分の興味・関心のある分野で、現代社会の課題を探究し、その解決策を提言することを目的としています。事前研修から留学中を通して、計画的に研究を進め、一つの論文に仕上げます。研修では、少人数のグループに分かれて、各自の研究の内容や課題などを発表し、意見交換を行います。これにより、主体的に学習する態度、論理的思考力や表現力を身に付けます。
第1回ゼミナール研究では、はじめに論文の書き方を学びました。論文と感想文の違いや、作成の手順、テーマ設定の考え方などを中心に学習しました。その後、各自で作成した「研究テーマとその理由」を基に、発表し、協議しました。また、次回の課題である「ゼミナール研究アウトライン」の作成方法を確認しました。
今回の研修では、ゼミナール研究を始めるに際し、適切な研究テーマの設定、情報収集の方法や研究の手順などを学びました。また、質疑応答では、他の研修生からの意見を聞くことを通して、多角的な視点を得ることができました。自己の研究テーマを客観的に捉え、見直す機会となりました。
午前中に「異文化オリエンテーション」を行いました。第1部では、JICA職員の方から、海外青年協力隊の活動に応募した経緯や、派遣先のブラジルでの生活や活動の様子をお話していただきました。現地で少年少女へ野球を指導する活動を通して得たことは、自分の可能性について知ることができ、様々な価値観に接して世界を複眼的に見られたことだったと述べられていました。研修生は、講演中のペアワークで国籍とアイデンティティについて考えを深め、質疑応答では、現在の活動に生きていることなどを積極的に質問し、講師からアドバイスをいただきました。
第2部は、ワークショップを行いました。子供の比率、高齢者人口、言語の多様性、識字率など、今の世界の現状について知識や理解を体験的に深めるとともに、課題について考えるよい機会となりました。
「株式会社ワクワーク・イングリッシュ」代表 山田貴子氏から「日本・フィリピンの子ども・若者と共に、ワクワクする未来を創る」という演題で御講演 いただきました。
山田氏は世界各国を旅する中で、フィリピンで貧困状態で暮らす子どもたち・若者たちを見て衝撃を受けたことから、 現地の子どもたち・若者たちの自立の方法を考え、様々な人々の協力を得ながら、英語のオンライン学習事業を立ち上げたと話されました。この事業を進める上で乗り越えてきた困難などについての話を通して、リーダーシップ、国際貢献などについて学ぶことができました。研修生は「自分の目標を達成させる上で、困難な状況を乗り越えるにはどうしたら良いか。」等、積極的に質問をし、山田氏からは「自分がやりたいと思ったことを100人には話そう。」など、具体的な方法についてもお話しいただき、質疑応答も大変有意義な時間となりました。
講演後、4つのグループに分かれ、何を学んだかについて、ディスカッションをし、留学への抱負や、将来に対し、どういう「たくましい妄想」を抱いて、自己の将来ビジョンを形成するかなどを語り合いました。
研修生は、小グループになり、講師の先生の指導のもと、実践的な英語の学習をしました。
内容は、自己紹介、家族や友人の紹介、ホストファミリーとの会話、具合が悪いときなどの状況を想定した会話練習をしました。講師の先生から発音や表現の基本的な説明を受け、研修生はすぐに実践的な練習を行いました。
英語学習はコミュニケーションのための英語の運用能力を身に付けることを目指しています。研修生は、ペアワークやロールプレイを通して、「伝わる」英語の習得に熱心に取り組んでいました。
交流研修では、留学を終えて帰国した第7期生と第9期生とが合同で実施しました。前半のパネルディスカッションでは、海外留学経験があり、現在、世界規模でビジネスに携わっている3人の社会人パネリストが、自らの海外経験などに基づいて、国際社会で生きていく上で大切だと思うこと、海外で仕事を進める時の人間関係のコツなどについて話をしていただきました。
後半のグループ協議では、社会人からは、海外で様々な仕事に就く中で、社会人としてのキャリアを高めていったことなどについてお話がありました。また、第7期生からは、第9期生に対して、現地校では友人に話しかけることで語学力がついたことやスポーツ等を通じて友人を増やしたこと、更にホストファミリーとの関係の作り方など具体的な情報提供やアドバイスがありました。
パネルディスカッション及びグループ協議は、第9期生にとって留学の意義を再確認するとともに、将来のキャリア形成について考える機会となりました