先端技術施設訪問
12月23日(水・祝)は、全研修生を対象に先端技術施設訪問を行いました。
「宇宙・産業コース」「農業・食品コース」「自然エネルギーコース」「ロボットコース」「まちづくりコース」の5つのコースに分かれて、数多くの研究施設があるつくば市を観光バスで訪れました。
全コース共通して、筑波宇宙センターを訪問しました。正門近くのロケット広場に展示されている50mの実機HⅡロケットの迫力を体感しました。展示館「スペースドーム」では、データ中継技術衛星「こだま」、技術試験衛星「きく」、陸域観測技術衛星「だいち」、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の実物大や宇宙ステーション補給機「こうのとり」等の試験モデルを見学して、最新の情報通信・地球観測分野、国際宇宙ステーション計画や宇宙環境利用で活躍する人工衛星のミッションと成果を学習しました。特に現在、国際宇宙ステーションで活躍中の「きぼう」は、その大きさや内部のつくりも本物と同じように展示されており、臨場感を味わいました。
また、宇宙・産業コースとまちづくりコースの研修生は、筑波宇宙センターガイドツアーに参加し、国際宇宙ステーション「きぼう」と運用管制室がリアルタイムに交信されている様子、宇宙飛行士養成施設の見学説明からチームワークや忍耐強さの必要性、訓練の厳しさを感じました。バッテリーや生命維持装置、無線機が格納された120kgの宇宙服や1994年7月「コロンビア号」で向井千秋宇宙飛行士と共に飛行し、宇宙で誕生した宇宙メダカの展示に興味・関心が集まりました。「ここに飼育されているメダカは22代目です。」との説明に驚きと賞賛の拍手が起きました。
農業・食品コースの研修生は、筑波実験植物園を訪問しました。虫を捕え栄養分を吸収する特殊な器官をもち、辛い環境を生き抜くために自らの姿を変え、発展してきた食虫植物に驚いている研修生が多く見られました。
自然エネルギーコースの研修生は、サイエンス・スクエアつくばを訪問しました。癒し効果を実感できるアザラシ型ロボット「パロ」やIPS細胞標本の顕微鏡観察、レアメタルのリサイクル体験等、未来の生活を変える科学技術の展示を通じて、最先端の科学技術を学習しました。また、日本で発見され、強度は鋼の20倍、重さはアルミニウムの半分、電気伝導度は銅の1000倍という優れた特性をもった画期的な素材のカーボンナノチューブ(CNT)に興味・関心が集まりました。
ロボットコースの研修生は、サイバーダインスタジオで最先端の福祉用ロボットスーツHALの装着を体験し、脳からの指令で動くメカニズムを体感しました。今後、福祉用だけではなく、医療機器として活用が期待され、日本の科学技術の目覚ましい進歩を感じました。
まちづくりコースの研修生は、つくば市科学技術特区推進課の方から「つくば国際戦略総合特区」に関する話を伺いました。最先端技術を駆使した新しい社会モデル、成長戦略をリードするまちづくりの仕組みを構築する先導的プロジェクトに、研修生は興味・関心をもち、講演後は活発に質問しました。また、「つくばモビリティロボット(搭乗型移動支援ロボット)実験特区」の認定を受け、走行実験中の電動立ち乗り二輪車であるセグウェイの自在に動く機能性に驚くと同時に、「乗ってみたい」との声が多くあがりました。
日頃、日本の最先端の科学技術に触れる機会が少ない研修生にとって、先端技術施設訪問は、日本の科学技術の高さを改めて認識するとともに、その取組みや仕組みに驚きと衝撃、感動と誇り、日本人の繊細さを感じた一日でした。