日本の伝統・文化学習②(能楽体験)
8月24日(日)は、日本の伝統・文化学習の第2回として、千駄ヶ谷にある国立能楽堂にて「能楽」の体験学習をしました。
第一部では、日本芸能実演家団体協議会会長 能楽協会理事長 野村萬氏(人間国宝)から激励のお言葉を頂きました。続いて、公益社団法人能楽協会理事の、シテ方宝生流の前田晴啓氏から、「能から学ぶこと」をテーマに能楽の基本についてお話を伺いました。
第二部では、4つのグループに分かれて、能の型、謡、狂言、囃子の実技体験をしました。
能体験では、足袋に履き替えて本舞台に上がり、能の型について先生から教えていただきました。本舞台の独特な雰囲気の中、足拍子を踏むという貴重な体験でした。また、舞台裏の見学もさせていただきました。大鼓の革を火で焙じる部屋、主役のシテのみが座ることが許される、能面を付けるための鏡の間など、研修生は興味津々で先生の話を聞いていました。
楽屋などでは、実際に狂言やお囃子を体験しました。狂言体験では、構えや二音節目を強調して抑揚を付ける言い回しなどを学びました。初めは遠慮がちだった研修生も、次第に楽しさを覚えたようで、狂言での「泣く」、「笑う」といった表現を、先生に倣って元気に発声していました。お囃子体験では、小鼓・太鼓組と笛・大鼓組とに分かれて、各自2種類の楽器の演奏に挑戦しました。どの楽器も先生方のように音を出すのは大変で、研修生たちは苦労しながらも頑張っていました。
第三部では、舞台鑑賞を行いました。研修生の保護者の方も参加し、装束着付の実演見学にはじまり、狂言「呼声」と半能「熊坂」を鑑賞しました。短時間ではありましたが、実際に能や狂言について学び、体験したことで、鑑賞の際の意識や興味も高まり、能楽師の先生方の呼吸や台詞に引き込まれるように鑑賞を楽しむことができました。
本日の研修では、楽屋や舞台裏、舞台など、通常では立ち入ることのできない場所で、先生方にきめ細やかなご指導をいただき、研修生にとって貴重な体験学習となりました。